予防ケア
予防ケアとは
虫歯や歯周病は、自覚症状を感じてから診察を受けると病状がある程度進行していることが多く見られます。予防ケアは、症状が出ないうちから診察を受けて虫歯や歯周病を予防することをいいます。
ヨーロッパなどでは、こうした予防ケアの考え方が日常的な行為として浸透しています。高齢になっても健康な歯を守り続けるためには、「症状が出てから歯科医院へ行く」のではなく「病気を予防するために歯科医院へ行く」という考え方にシフトすることが不可欠です。
予防ケアでは、虫歯や歯周病の原因となる歯垢や歯石を取り除くほか、お口全体を清潔にするクリーニングや検査などを行ないます。当院では予防ケアに力を入れておりますので、日頃から違和感を覚えていることや、気になっていることがありましたらお聞かせください。
定期検診
虫歯や歯周病を予防するのに大切なのは、自覚症状を感じる前から歯科医院で検診を受けることです。違和感や痛みなどが出てからでは病状が進んでいて、治療をするのにも負担がかかってしまいます。定期的に検診を受けていただくことで、虫歯や歯周病になりそうなところがないかチェックを受けられます。初期症状であれば、その場で簡単な処置をするだけで治療を終えられます。
定期検診を受けるということは、それだけ時間と費用がかかってしまうと思われるかもしれません。しかし、歯が痛くなったり歯肉が腫れたりしてから治療をすると、通院回数が多くなってしまい、結果的に定期検診よりも時間と費用がかかる可能性があります。
また、定期検診をきっかけに歯への健康意識が高まり、歯の健康寿命を伸ばすことにもつながります。
メンテナンス
虫歯や歯周病を治療した後は、患部が再発しないように健康な状態を維持します。そのために重要なのが、治療終了後も定期検診に来ていただくことです。およそ3〜4ヵ月ごとにご来院いただくことをおすすめしています。虫歯や歯周病になったところは歯ブラシが届きにくいことが多く、治療後も歯垢などの汚れが溜まる可能性があります。虫歯などの可能性があれば治療し、詰め物や被せ物をしている場合は噛み合わせに問題がないか確認します。
また、歯周病の有無を調べるために歯周ポケットの測定をするほか、普段から適切な歯磨きができているかを再確認し、クリーニングなども行ないます。子どもにはフッ素塗布をし、歯質を強化して虫歯になりにくい歯にします。
クリーニング
ご自宅でしっかり歯磨きをしているつもりでも、歯間や歯と歯肉の間など、どうしても歯ブラシが届きにくいところがあります。歯を隅々まできれいにできるのが、歯科医院で行なうクリーニングです。
クリーニングでは、歯ブラシでは除去できない歯石を取り除くほか、歯垢の除去、歯面の清掃などを行ないます。歯垢や歯石を取り除くことで虫歯や歯周病が進行するのを防ぎ、お口の中を清潔な状態にします。クリーニングの後は歯面が滑らかになりツルツルになります。舌触りが良くなるだけでなく、歯垢が付着しにくくなるため虫歯の予防にもつながります。
このほか、食べ物や飲み物によって歯の表面についた着色や、喫煙による汚れなどもクリーニングで落とせます。歯の黄ばみが取れて、歯をある程度白くできます。
- ・内容によっては保険適用となることもありますが、歯の病気の治療ではないため、基本的には自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- ・歯科医院でのクリーニング・PMTCだけでは、虫歯・歯周病の予防はできません。日ごろから歯磨きなどのケアに努めることで、予防効果を上げられます。
- ・歯肉の腫れや歯肉炎のある方は、器具が当たることにより痛みや出血をともなうことがあります。
- ・歯と歯肉の境目への歯石の付着が多い方は、歯石除去後、歯肉から出血が見られることがあります。多くの場合、クリーニング後しばらくすると出血は治まり、1〜2日で歯肉は治癒します。
- ・着色汚れや歯垢・歯石はクリーニング・PMTCで除去できますが、効果は永続的ではありません。いずれも再付着するものなので、定期的に受診して処置を受けることが大切です。
- ・保険診療となるのは、基本的には13歳未満で、虫歯予防の指導を継続的に受けているにもかかわらず虫歯の多い子どもに限られます。健康な歯に対する虫歯予防目的で行なう場合は自費診療(保険適用外)となります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- ・補助的な予防ケアとなり、虫歯にならないわけではありません。あくまでもきちんと歯磨きをしていることが大切です。
- ・効果が永続的ではないので、年に数回フッ素を塗布してもらう必要があります。
- ・フッ素塗布を必要以上に繰り返したり、歯科医院でのフッ素塗布のほかにフッ素配合の歯磨き剤などを多用すると、フッ素の過剰摂取になる可能性があります。